「ゲームが好きだから、ゲーム専門学校に行けばプロになれる」
そう考えている高校生は多いのではないでしょうか。
しかし、ネット上では「ゲーム専門学校はやめとけ」「通っても無駄」「就職できずに後悔した」という声が絶えません。
実際のところ、ゲーム専門学校に進学することは本当に正しい選択なのでしょうか?
この記事では、ゲーム専門学校が「やめとけ」と言われる本当の理由を7つ挙げ、それでも進学を検討する場合の注意点と、賢い学校選びの方法を解説します。
ゲーム専門学校が「やめとけ」と言われる7つの理由
ゲーム専門学校への進学を検討している人が必ず知っておくべき、厳しい現実があります。
以下の7つの理由を理解した上で、進路を決断することが重要です。
理由①:学費が高額なのに就職保証がない
ゲーム専門学校の学費は、一般的な専門学校と比較しても高額です。
2年制で総額250〜350万円、3年制なら400〜550万円かかることも珍しくありません。
さらに問題なのは、これだけの費用を払ってもゲーム会社への就職が保証されていないという点です。
実際には以下のような追加費用も発生します:
- ハイスペックPC購入費:20〜40万円
- ソフトウェアライセンス料:年間5〜10万円
- 教材費・実習費:年間10〜20万円
- 定期試験料・検定料:数万円
これらを含めると、卒業までに500万円を超える出費になることも。
奨学金を借りた場合、卒業後に希望の職に就けなければ、返済が大きな負担となります。
理由②:カリキュラムの内容が浅く広い
多くのゲーム専門学校では、2〜3年という短い期間で、プログラミング、3DCG、企画、サウンドなど幅広い分野を学びます。
一見すると充実したカリキュラムに見えますが、実際には各分野を浅く広く触れるだけで終わってしまうケースが多いのです。
例えば:
- プログラミングは基礎文法を学ぶだけで、実践的なゲーム開発には不十分
- 3DCGモデリングは初級レベルで終了し、就職に必要なスキルに到達しない
- 企画書の書き方は教わるが、実際に採用される企画を作る力は身につかない
中途半端なスキルでは、現場で即戦力として評価されません。
理由③:就職率の数字に騙されるな
専門学校の広告でよく見る「就職率98%!」という数字。
しかし、この数字には大きなカラクリがあります。
就職率のトリック:
- 分母の操作:進学者・就職活動をしなかった学生を除外して計算
- 業界外も含む:ゲーム業界以外(IT企業、一般企業、派遣社員)も就職実績に含める
- アルバイト就職も含む:正社員だけでなく、契約社員やアルバイト採用もカウント
本当に知りたいのは「入学者のうち何人がゲーム会社に正社員として就職できたか」という数字ですが、これを公表している学校は極めて少ないのが現状です。
理由④:大手ゲーム会社への就職は極めて困難
任天堂、カプコン、スクウェア・エニックスなど大手ゲーム会社は、誰もが憧れる就職先です。
しかし現実は非常に厳しく、専門学校から大手ゲーム会社に就職できるのは、学年で1〜2名いれば良い方です。
大手ゲーム会社が専門学校卒を採用しにくい理由:
- 大卒者との競争に不利(学歴フィルター)
- 技術力が大学の情報工学部卒に劣る傾向
- 美術系なら美大・芸大卒が優先される
- チーム開発経験が実務レベルに達していない
大手を目指すなら、専門学校よりも大学の情報工学部や美術大学を選ぶ方が現実的です。
理由⑤:学生の質とモチベーションにバラつきがある
ゲーム専門学校は入学試験のハードルが低いため、様々なレベルの学生が入学してきます。
本気でプロを目指す学生もいれば、「ゲームが好きだから」程度の動機で入学する学生も混在しています。
この環境では以下のような問題が発生します:
- 授業の進度が初心者レベルに合わせられる
- グループ制作で足を引っ張られる
- 周囲に流されて遊びに走ってしまう
- 真面目な学生のモチベーションが下がる
「ゲームで遊ぶのが好き」と「ゲームを作るのが好き」は全く別物だと、入学後に気づく学生も多いのです。
理由⑥:講師の質にムラがある
「現役プロが教える!」という謳い文句を掲げる学校は多いですが、実態は様々です。
講師の質の問題点:
- 非常勤講師が多く、週1回しか来ない
- 現役といっても小規模プロジェクトの経験者だけ
- 教えることに不慣れで、説明が分かりにくい
- 最新技術についていけていない元業界人
専任の優秀な講師がいる学校は限られており、学校選びで最も重視すべきポイントの一つです。
理由⑦:独学やオンライン学習でも十分に学べる時代
現代では、YouTubeやUdemy、Unityの公式チュートリアルなど、無料または低コストでゲーム開発を学べる環境が整っています。
独学のメリット:
- 学費が圧倒的に安い(月額数千円〜)
- 自分のペースで学習できる
- 最新技術をすぐに学べる
- 時間や場所に縛られない
- 実際に作品を作りながら学べる
実際、現役のインディーゲーム開発者の多くは、専門学校ではなく独学でスキルを習得しています。
「専門学校に通わなければプロになれない」というのはもはや過去の常識です。
それでも専門学校に行くべき人とは?
ここまで厳しい現実をお伝えしてきましたが、専門学校が完全に無意味というわけではありません。
以下のような人には、専門学校が有効な選択肢となる可能性があります。
専門学校が向いている人の特徴
- 独学では継続できない自信がない人
- 仲間と一緒に学びたい人
- 強制力のある環境が必要な人
- 業界とのコネクションを作りたい人
- 親が学費を出してくれる人(借金を背負わない)
特に重要なのは最後の点です。
奨学金という名の借金を背負ってまで専門学校に行く価値があるかは、慎重に考える必要があります。
後悔しない専門学校の選び方
もし専門学校への進学を決断するなら、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
チェックポイント①:具体的な就職実績
- どの企業に何人就職したか具体的な社名と人数
- ゲーム業界への就職率(他業界と分けて公表しているか)
- 正社員採用と契約社員・アルバイト採用の内訳
- 卒業生の離職率(入社後すぐに辞めていないか)
チェックポイント②:講師陣の質
- 専任講師と非常勤講師の比率
- 講師の実務経験(どんなタイトルに関わったか)
- 現役で開発を続けているか
- 教える能力があるか(体験授業で確認)
チェックポイント③:設備と教材
- PCスペックは現場レベルか
- 最新のソフトウェアを使えるか
- 学生一人あたりの使用可能時間
- 自習室の充実度
チェックポイント④:カリキュラムの内容
- 実践的なプロジェクト制作の時間が十分にあるか
- 1つの分野を深く学べるコースがあるか
- 企業とのインターンシップ制度があるか
- ポートフォリオ制作のサポートがあるか
これらを確認せずに入学を決めてしまうと、高い授業料を払って後悔することになります。
専門学校以外の選択肢も検討しよう
ゲーム業界を目指す方法は、専門学校だけではありません。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に最適な道を選びましょう。
選択肢①:大学の情報工学部・デザイン学部
メリット:
- 大卒資格が得られる(転職時に有利)
- 幅広い知識と教養が身につく
- 就職の選択肢が広がる
- 研究活動を通じて深い専門性を築ける
デメリット:
- 学費が高い(4年で400〜600万円)
- ゲーム開発以外の科目も多い
- 実践的なスキルは自分で磨く必要がある
向いている人:
大手ゲーム会社や、将来的に他業界への転職も視野に入れたい人
選択肢②:オンライン学習プラットフォーム
代表的なサービス:
- Unity Learn(公式・無料)
- Udemy(買い切り・セール時1,500円程度)
- Coursera(月額制)
- YouTube(無料)
メリット:
- 圧倒的に安い(月額数千円〜)
- 自分のペースで学習できる
- 最新技術をすぐに学べる
- 世界中の優良コンテンツにアクセス可能
デメリット:
- 自己管理能力が必要
- 質問できる環境が限られる
- 就職サポートがない
- 仲間を作りにくい
向いている人:
自分で学習を続けられる意志の強い人、費用を抑えたい人
選択肢③:独学+コミュニティ参加
具体的な方法:
- 書籍やオンライン教材で基礎を学ぶ
- ゲームジャムに参加してチーム制作を経験
- Discordなどのコミュニティで仲間を作る
- GitHubで自分のプロジェクトを公開
- Unityの勉強会やセミナーに参加
向いている人:
すでに社会人で働きながら学びたい人、自走力のある人
Unity入門の森で効率的に学ぶという選択肢
「独学は不安だけど、専門学校の高い学費は払えない」
そんな人におすすめなのが、Unity入門の森です。
Unity入門の森の特徴
- ゲーム開発に特化した実践的なカリキュラム
- 現役開発者による解説
- 買い切り型で追加費用なし
- 自分のペースで学習できる
- ソースコード・素材すべて公開
- 完成度の高いゲームを実際に作りながら学べる
特に「費用を抑えて実践的なスキルを身につけたい」という人には、Unity入門の森が最適です。
これらの講座を通じて、企業の採用担当者が見るポートフォリオとして通用する作品を作ることができます。
まとめ
- ゲーム専門学校が「やめとけ」と言われる理由は7つ
- 高額な学費に見合う就職実績があるか慎重に見極めるべき
- 就職率の数字には「カラクリ」があり、真実を見抜くことが重要
- 大手ゲーム会社への就職は専門学校からは極めて困難
- 独学やオンライン学習でも十分プロを目指せる時代
- 専門学校に行くなら、具体的な就職実績と講師の質を必ず確認
- Unity入門の森なら、費用を抑えて実践的なスキルが学べる
ゲーム専門学校は、選び方を間違えると数百万円と貴重な時間を無駄にする可能性があります。
しかし、適切な情報に基づいて判断すれば、あなたに最適な道が見つかるはずです。
重要なのは、「専門学校に入れば夢が叶う」という甘い考えを捨てること。
どの道を選んでも、最終的にはあなた自身の努力と実力が勝負を決めます。
学校に通うにしろ、独学を選ぶにしろ、実際に手を動かしてゲームを作り、ポートフォリオを充実させることが何よりも重要です。
「本当にゲーム業界で働きたいのか」「どんなゲームを作りたいのか」を自分自身に問いかけ、後悔しない選択をしてください。
あなたのゲーム開発の夢が、正しい道を歩むことで実現することを願っています。



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